「すみません…!
つかぬことお聞きしますが…このパーキング下り線ですよね…。」
「いかにも…そうだが…!?」
権田教授の言葉に私は息をのみ答えた。
「京都から北上してるのなら…その人物上り線にいる筈ですよね。」
私の言葉に…あっと声をあげる。
「そうだった…。
無駄足だったようだなあ…。」
いつになく力ない声の権田教授の言葉が受話器から聞こえてきた時…トラックから見覚えのある男性が血相抱えて車から飛び出した。
「どうしたの?」
コンビニから出てきた諷馬が背後から声をかける。
「わからない…。」
私と諷馬は顔を見合わせてそのトラックから降りた人物に歩みよった。
「どうしたんですか?」
かなりの取り乱ししたその男性に私と諷馬は近づき声をかけて振り返った男性に私はハッと閃く…。
先程…去り際に男性を呼んでいたおじさんだ!?
よくハッキリ覚えてる訳ではないけど…野太い声と記憶に残る去り際にみた容姿が重なった。
「どーなってんや!
あいつは…いったい何者だったんや!?」
関西弁で声を張り上げたおじさんは…光る物を手に持ちながらうろたえる。

