『武士ドルが斬る!?』〈前編〉



 一回ためて私をチラリとみたKabutoは…したり顔で言葉を続けた。



 「彼女にイロイロと聞きたい事があるんでね…。
 俺が勝ったら…彼女を残して即刻消えてもらう…!」




 「…そんなの勝手よ…!!」




 「…よいだろう…。」



 Kabutoの申し出に私はくってかかるのを…殿に制された言葉に絶句した。



 殿がまさか…Kabutoの条件を飲むなんて…信じられないし…信じたくなかった…。




 「…殿…。」



 複雑な思いに駆り立てられながら…私はなんとか気持ちを押し付けて声を絞り出した。




 「…吉乃…。
 わしはそんなに信用出来ぬか?」




 殿の言葉が…胸に重く突き刺さった…。


 「いえ…。
 そんな…。」



 「わしは吉乃の中では…子供のままかもしれぬが…わしは…そなたの事を母の変わりだと思った事など一度もない…。
 ―――わしを信じろ!!

 みすみす渡してたまるか…。」





 殿の気持ちが痛く伝わり私はただ頷く事しか出来なかった。


 私が抱えていた不安が…殿を追い詰めていた真実を突きつけられた。



 やがて殿は振り返りもせず彼のいるステージの下に飛び降りて対面した。