「大丈夫…。
私が姉さまを守ります故…濃から離れぬようにして下さい。」
美しい眼差しで男らしいねぎらいの言葉をかけられて思わず赤面したまま濃君の背中のシャツを掴んで後に続く。
さっききた時とは…ガラリと変わりいたるとこに“Furinkazan”のトレードマークである“四割り菱”の紋‥通称“武田菱”のロゴシールが至るとこに張り巡らされているのを横目でやり過ごし諷馬達の姿を探した。
今更になって別行動した事を後悔‥。
幾ら‥殿との間に溝を感じたとしても‥それは私が信じてあげるべきなのに…一時的な感情に流されて自分から離れようとした事‥も考えれば考えるほど悔やまれる事ばかりだった‥。
“―――お願い‥‥!!
‥‥みんな‥‥。
無事でいて――――!!!”
悲痛な思いを心で叫び唇を噛み締めて先行く濃君の腕に掴まる。
「あれ~?
お嬢ちゃん………!!
どこかで見たことあるよな‥!!」
濃君の後をついてその場を足早に通り過ぎようとしていた矢先に…近くにあったワインレッドのソファから腕を強引に掴まれた聞き覚えのある声に私は思わず息をのむ…。

