「何をあの者と話したのですか?」
鋭い濃君の突っ込みに私は困惑しつつ笑ってごまかす。
「濃君も…いつから私をつけていたの?」
エレベーターの数字が変わるのを見つめ悟られないように尋ねた。
その様子にふう…と大きい溜め息をもらし濃君は答えた。
「姉さまが顔色が悪そうでしたので…付き添うつもりでしたが…彼に先をこされたのでそれで…。」
「あとを追った…と言うわけかあ…。」
続けた言葉に濃君は申し訳なさそうに頷いた。
「じゃあ…話もきいたんでしょう…?」
「ええ…。
しかし…自分に気づきつつあんな話をあなた様にするなんて…正気の沙汰では御座いませぬ。
何か…裏があるのかも知れませぬ…。」
濃君の言葉に「そうね…。」と頷いた私達の前の扉が勢いよく開いて…先程とは違ったユーロービート調の音楽が私達を出迎えた。
「…諷馬達どうしてるかな?」
先程の賑やかな風景とは…異なり明らかに殺伐とした空気が張り詰めていた様子に怖じ気づき濃君にすがる。

