その辛辣な横顔を見上げた私を横目で流し見た彼は再び話を続けた。
「…私はその日からそれをせき止めているものは何なのかを見極める為…毘沙門天の化身として恥じぬように生きる為この身を戦場に投じ我が魂を天に預けた。
でも…今は…。
迷っている…。
万人の前で琵琶の音色を披露しながら歌うという事に喜びを感じ時にそれを求める煩悩すらあるように思えるのだ…。
このままでいいのか…?
どうするべきなのか…?
悶々な気持ちと煩悩に駆り立てられる気持ちに潰されそうになる。
そなたの悩みとは…似ても似つかない悩みだが…過去の自分と現在の自分の気持ちの狭間で迷いを振り切れないなら…何かを見出さなくてはいけないのかもしれない。
そなたも…私も…。」
風がまた再び私達の間を吹き抜けていく…。
Ken-sinの抱えている悩みも私の悩みもどこか似たような接点を持ち…こんなに冷静沈着な人でも気持ちに押し潰されそうな想いを語ってくれた事に驚きを感じた。

