「毘沙門天…。
毘沙門天って七福神の中の強そうな神様だよね…。」
先程から彼の言葉の節々に登場するその神の名を尋ねるとKen-sinは深く頷いた。
「さよう…。
毘沙門天は…四天王の武神の1人…。
そんな偉大な神の声を聞いた私は…そのお告げに従い私を必要とする者達の声を聞き…私は毘沙門天の代わりにこの目でこの身体でこの命で見定めてきた…。」
「…す…すごい…。」
彼の過去の話に驚いたものの…そのスケールの大きさ故か不思議と話を受け入れられて聞き入った。
「…私は…毘沙門天の化身として…迷いを抱く弱者に毘沙門天の声を伝えるため…戦った…。
モチロン…これからも戦い続ける…。
だが………………。」
Ken-sinの顔が一瞬曇ったのを見落とさなかった私はすかさず尋ねた…。
「どうしたの…。」
私の言葉に彼は‥空を仰ぎ満天の星空に視線を投げかけた。
「…その思いが揺らぎ…毘沙門天の声が聞こえなくなった。」

