「…君と同じ事をもしかしたら…そのまま女として成長して誰かに嫁いでいたならそう思ったかもしれない…。
だけど…私はもしその貪欲な者たちが自分達が守るべきこの砦に入って来る気ならば…返り討ちをしてやろう!
まだ…自分の手で希望すらも見出していないのに他人の汚れた欲望に潰されて終わるのだけは御免だって思ったんだ…。
そう思ったら戦わずにはいられなかった…。」
彼の横顔が…鋭く細めたその瞳が…殿と重なった。
「そっかあ…。
あなたは強いね…。」
大きな吐息をつき星空を見上げた。
「強くはないよ…。
ただ…想いだけでここまできたんだ。
姉に最初は反対されて…私は家を飛び出した。
そして…道に迷ってさまよっている間に月の光に誘われて私は…毘沙門天のお堂の前にたどり着いた…。
一晩留めてもらうだけだった…。
でもその日…。
毘沙門天が私に降りてきてこう言ったんだ…。
――お前は‥毘沙門天の化身として生まれ変わる‥と‥。」

