『武士ドルが斬る!?』〈前編〉



 「そうか…。
 それで…外にでる予定だったというワケかあ…。」



 琵琶を奏でつつ呟いた彼の言葉に私は深く頷いた。



 「どうしちゃったんだろう…。


 今世で彼とあう事は望みが叶っている筈なのに…不安はいつも拭い去れなくて…。


 ここはもう戦国時代でもない…平和な時代なのに…。

 ――――急に彼が遠くなる…。」




 力強く弦を弾くその音色が切れた。




 「…私は…あなたのような経験はなかったかな…。


 確かに戦に男共は駆り出されて…家を守るのが残された者達の役目だと思っていた。

 それでも納得がいかなかった…。

 人はナゼ…今より多くのモノを求めるのか…。


 それによって…敗れる者もいれば…裏切られ憎む者もいる…。


 そんな事を繰り返しながら…守らなきゃいけない物って何だろうってね…。」




 満天の星空にキラリと流れ星が流れた。


 Ken-sinは琵琶を横に置きやがて再び髪を梳くように払い風に靡かせた。