咄嗟の出来事だった…。
首もとを掴まれた手の力が弱くなったと感じた瞬間…彼の胸元を引っ張った拍子に何かがスルリと解かれゆるくなった。
「ハアハアハアハア…………………。」
掴んだ手は段々と力をなくして私は前のめりで倒れた肩で息をした。
まださっきの感触が手のひらに伝わってくる…。
あの日公開録音で彼の胸に飛び込み感じた違和感の正体だ。
「大丈夫か…?」
自分の巻いていたストールを外して私の首もとに巻いた。
「女は嫌いでも…殺すのは性に合わない。」
先まで殺されかけた相手なのに…冷酷な程に美しい微笑と彼以外の他の誰が言っても似合わない殺し文句に赤面してしまった…。
「君の勝ちだ…!
私の首をあげよう…。」
相変わらずKen-sinは微笑を浮かべつつ突然それだけを言い残しクルリと踵を返した後…また反復しながら白い布地を靡かせて再び対面した。
「これが…俺の首だ…。」
シッカリと握られた手にブラリと垂らされた白い布地が再び風にヒラヒラと舞う。

