「なんだか…あいつの真剣な顔みてたら…さすがに何も言えなくなってきたよ…。」
クラブの踊り場に戻ってきた私達は…カウンターに座り注文したカクテルを一口飲み喉の渇きを潤した。
「…そうだね…!
殿…。
きっと…この時代で生きていこうと必死なんだよ…。
私達には普通の事でも…殿からみるとまるで得体の知れないものばかりだけど戸惑ってる暇はないから慣れようと必死なんだと思う…。」
今も昔も…。
…と私は言いかけて言葉を飲み込んだ。
なぜなら…。
ずっと…それを近くでみてきたから…。
…だから…今回も…?
………今回も…??
…今の私には…できるの…?
――――それが…。
キュッ…。
手に汗を握り唇をかみしめた。
…出来るのだろうか?
…昔…。
――みたいに殿を黙って待っていられるの?
…一体…。
昔の…私は…。
―――どんな気持ちで殿を待っていたの…?
急に不安がよぎる…。
なんだか胸をつかまれるほどに苦しくなり呼吸さえも苦しくなってくる。

