徳家君の問い掛けにその場にいた者が一斉に私へと注目した。
「ほんとなのかね…?」
興奮気味の権田教授に尋ねられて…私は深く頷き苦笑いを浮かべた。
「徳家君の話でもあったように…ドリンクコーナーでジュースを購入しようとしたら私の横に作業服の男性が並んだので…先を譲ったら一向に自販機にコインを入れずにいたもので…そしたらおばさんが待ちきれなくなって文句を言われてたのを見てそれで仲裁に入ったのです。
その後は徳家君が話してくれた経緯と一緒ですけど…男性から渡された巾着袋になぜか鬼のように小銭が入っていたし…使い方が分からないから選んでくれと言われて買ってあげた後自販機に張り付くように眺めたり…できたコーヒーを取り出して預けてもう一度と催促されて自販機如きに喜んでいたりと不審な点が満載でした。」
ドリンクコーナーでの出来事を話し終えた後…その場にいる者達は動揺の色を隠せず困惑していた。
「とにかくもう一度…ドリンクコーナーや建物の中を探してみよう。
他に手がかりはないかね…。
例えば…言葉を交わしたとか…!?」

