「それが作業服の色は‥ベージュで上下に帽子を被っているらしいんだ。
盗まれた本人も…やはり金判をもらったらしくそんなに大事な事件だとは思っていないらしいんだ。」
「なるほど…。」
私は…逃亡者の特徴について…メモに書き留めながら先程の変わった男性が頭を横切った。
「なんだか…先程の男性気になりませんか?」
右隣に並ぶ徳家君が私を見下ろし呟いた。
「…徳家君もそう思う?」
「何の話…?」
私の左隣を陣取り徳家君を睨みつつ聞いた。
「諷馬…。
さっきカップコーヒー専用の自販機に作業服来た男性いたのみてない?」
うーんと唸りながら空を見上げ数分前の記憶を辿る様子に気付き尋ねた。
「何かあったのかね!」
「あっ…。
まあ…。
ちょっと気になる人物とドリンクコーナーであいまして…。」
権田教授の問い掛けに訝しげに答えた。
「俺も会いました。
権田教授が仰った通り…ベージュの作業服に帽子を目深に被っていて、いかにも重そうな巾着袋を手に持ち自販機の前に突っ立っていたのをおばさんが注意しいて…それを見かねた生駒さんがカップコーヒー専用自販機の使い方を教えたのですが、自販機を使いこなせず生駒さんに購入するよう膨らんだ巾着袋を押し付けて選ばせた上購入させていました…。
ねっ…!?
生駒さん!」

