精一杯の気持ちを込めて…私は殿に吉乃の母心として湧き上がる思いを伝えた。
「わかった。
信忠が満足するまで…伝えよう…。
…できればまた子供に生まれてきてくれたらよいのじゃが…!」
突然…口走った言葉に私は自分の耳を疑いつつ…なんだか嬉しくなって殿の腕にしがみついた。
「…今の言葉…。
きっと…信忠が聞いたら喜びますわ。」
うっすらと記憶の片隅に…縁側で二人赤子だった…“奇妙”を抱く殿に寄り添う吉乃の情景が浮かんだ。
馴れない手つきで“奇妙”を抱く殿の腕の中で体をよがめながら居心地悪くて小さく泣き声をあげた奇妙に殿は自分の戸惑いを隠して‥不思議な奴じゃといいつつも父としての実感を感じていたのを近くで寄り添え笑った記憶が蘇る。
「あいつ‥!
わしの子として‥生まれ変わってくれるかのう‥!」
殿の言葉に‥私は大きく頷いた。
「生まれ変わってきてくれますとも‥!
信忠にとって‥殿は目標ですから‥!」
微笑んだ私に殿は‥私の身を寄せて歩く‥。

