「お願いがございます…。
どうか…この子のお命だけは…お考え下さいますようお頼み申し上げます…。
主…イエス=キリスト様の御名において…この子には…復讐などさせませぬよう誓わせます故…どうか今回だけはお見逃し下さいますよう…お願い致します。」
必死で命乞いを殿に訴える…ガラシャさんとその横で冷ややかな目で見つめる明石少年を交互に見回した殿は彼女の肩に手を置き声をかけた。
「もう…よい…。
そなたも十分苦しんだはずじゃ…。
それに…もうわしは天下人のあの頃とは違う…。
光秀の謀反という裏切りは…許し難いがもう今となっては400年前の事じゃ…そんな昔の事を引っ張りだし争うつもりでここにきた訳じゃない…。
それとも…わしに何か伝えたい事でもあるのか?」
殿の言葉に真剣な眼差しでガラシャさんは頷いた。
「吉乃…。
少し寄り道して茶でもすすっていくかのう…。」
「えっ…。
はあ…。」
ガラシャさんは周りを気にしつつ挙動不審な様子を悟った殿は私に声をかけると今度は明石少年の後頭部を小突き「案内致せ…!」と促してひとまず私達は彼女達についてこの間送り明石少年を送り届けた教会へと足を運ぶこととなった。

