殿は急に声を弱めて私を見つめた。
「わしを…もっと必要としてほしい…。
確かにわしは…吉乃からしたらやることなすこと子供にみえるかもしれぬが…自分1人で抱え込まずわしをもっとアテにしてほしいのじゃ…。
だから…包み隠さずわしにだけは…話して欲しい…。
それがわしの頼みじゃ…。」
殿の言葉に私は思わず面食らったと同時にギュッと抱きしめたくなったが…わたしが抱きしめてしまうと殿を子供扱いしてしまう気がしたので私は頷き答えた。
「…分かりました…。
…殿…。
帰ったら私をギュッと抱きしめて下さいませ…。」
殿の手前に手を差し出して笑った私を…彼はコクリと頷き返した。
「分かった…。
さあ…ママ殿が待っておるから食糧の調達に急ごう…。」
私の差し出した手を握りしめた殿と2人並びながらスーパーまでの道のりを歩きながら頼られたかったんだという事を知り…彼の新たな一面に心が疼いていくのを感じた。

