ニカッと屈託のない笑みを浮かべたその様子に私は呆れて大きなため息をつく…。
「信長様と…一緒に近くのヤツらと喧嘩してたんだ!」
「もうっ…!
小さな子供じゃないんだから!」
手ぬぐいを濡らして諷馬に手渡した。
「拭いてくれないの?」
ニマリ…としたり顔で訴えた肴〈サカナ〉の言葉に私はますます呆れながら彼の鼻をつまんだ。
「私は忙しいの…!」
馬借から帰ってきた馬の身体を洗い流した横で顔を吹き始めたのを横目で眺めた。
生駒の屋敷に戻ったこの頃は…肴〈サカナ〉は他の忍び達と共になぜか信長様と連む事が多くなっていてその名を耳にする事が多くなった。
「あなた達はそれで良かったとしても…信長様は違いますっ!
それなのに…喧嘩を一緒になってして…もし彼に何かあったらどうするの?」
いつの頃からか諷馬達は…下町城下に遊びにきていた殿と出会いいつの間にか血気盛んに喧嘩だ…なんだと全身泥まみれといった容姿で帰ってくる事が多くなっていた。

