「それで…!
ここで…何しておる!!」
厳しい口調で肴という忍びに向かって一言を放った。
「はっ…。
怪しい人物を1人捉えました…。
自分…1人のみ濃姫様の計らいで…京の都で襲ってきた一味の後を追っていまして…その報告も兼ねて訪れましたところ何やら風呂場近くで弓の弦を引き矢を射ろうとしている人物を見かけ楔〈クサビ〉で狙いを外した後取り押さえました‥。」
跪いたまま近況の報告をした彼の奥に布団で簀巻きにした塊を指差し私はまた息を呑んだ。
殿の目つきがたちまち鋭くなり‥肴の指差したその人物の近くに歩み寄った。
「死んだのか?」
「えっ‥!!」
殿の声かけに私は思わず身震いした‥。
「‥いえ‥。
半田刑事にとりあえず留めを指すのだけは禁じられているので‥急所を狙いうち気を失っております‥。」
「‥ナルホド‥。
こやつもやはり暦に関わる一味か‥?」
布団に簀巻きにした人物に歩み寄り見下ろした殿に肴は答えた。

