先程放り投げられたシャワーの水しぶきと湯煙のとばりに守られるように口づけを交わしあうその時引き裂くような衝撃音と共に何かが飛び込んできたのにいち早く気づいた殿は私を庇ったまま身をかがめて防御した。
バリーン…。
…と硝子が割れる音と共に砕けた破片の間をかいくぐって―――――。
―――カッ‥‥‥。
窓ガラスをぶち破りバスルームに飛び込み壁に突き刺さったその物体に気づき声をあげた。
「殿‥。
壁に矢のようなモノが‥!」
バスルームの壁に突き刺さる矢を指差した私の声に殿は‥すぐさま身を翻し壁から矢を抜き取った。
「矢文だ‥。」
矢の先にまるでおみくじを結ぶように丁寧に結びつけられていた矢文を私の目の前に差し出した。
そのまま殿は‥バスルームの割れた窓越しに周囲を確認して警戒しながら辺りを見回した…。
「とにかく…早く湯殿から出るぞ…!」
ひとまずお湯の開栓をしめた私の腕を掴んだ殿は‥恐怖で困惑する私の体を抱き上げその場をバスルームから脱衣所に滑りこむように出た。

