400年前の絆を埋めあい結局…明け方汗を流すため殿をバスルームに向かわせた。
「ここに…着替えおいときますね…。」
バスルームで汗を流す殿に脱衣所から声をかけたが…いっこうに返事がないので私は再度尋ねた。
「殿…?」
水の流れる音すらしないので…心配になりドア越しに声をかけると殿の声が中から響いた。
「吉乃…!
悪いがこの…水の出し方がようわからん!
ついでに背中を流してもらえぬか?」
あっ…。
なるほど…シャワーなんて知るはずないわよね…と反省した私は快く引き受け袖とズボンの裾を捲りあげて中へと扉をあけた。
湯煙の中で殿はシャワーの蛇口の先をつついたりしながら…困惑している姿を見て私は殿に変わってシャワーを受け取り殿…の背中に湯水をかけた。
「また…傷がふえております…。」
湯殿で背中を流していた吉乃時代よりも遥かに増えた傷の跡…。
「天下取りの古傷の証じゃ…。
矢傷に…槍傷…刀傷…鉄砲傷…。
数えあげてもキリがないが…最も痛んだ傷はそなたを失った事じゃ…。
しかし…それも今日塞がったがのう…!」
殿は悪戯な笑みを浮かべた。
「私も…殿と離れた時間を埋められて心の傷か塞がりました…。」
殿の広い背中を洗い流した。

