何かいいたげな諷馬は…パパに睨まれてふてくされたまま俯いた。
「隣まで送ってくる…。」
パパはママと諷馬に言い残し…自宅を後にした私達を隣の玄関先まで送ってくれた。
「信長くん…。」
新居の玄関の鍵を開けた殿に手を差し出した。
「くれぐれも…真帆の事頼むよ…。」
月夜に照らされて映った寂しい気な表情を隠すように笑った。
「わかった…。
わしの命に変えても真帆を守る。」
殿はパパの差し出した手をしっかりと掴んだ。
その様子を横で眺めていた私も…胸の中が様々な思いでいっぱいになった。
「じゃあ…。
また…明日…。」
パパは固く殿と握手を交わした後…身体を旋回してそのまま家へと足を進めたその背中を遠く感じ寂しさが込み上げた。
「夜風は身体を冷やす屋敷の中に入ろう…。」
殿は優しく肩を抱き私は深く頷いて新居の中へと入った。
「もう…。
離さぬ…。」
殿は私の気持ちを察したのか力強く抱きしめた…。
私も殿の胸に顔をうずめ彼の体を抱きしめた。

