『武士ドルが斬る!?』〈前編〉



 「まあまあ…。
 みんな話もまとまったところで…早速ご飯にしましょう!」



 ママがグツグツと煮立たせた白い湯気をあげた鍋を食卓の上に勢いよく置いた。


 「まったく…。

 じゃあ…。
 まあご飯にしようか…。」



 そんなパパの一声に張り詰めた空気もどこへやらという感じでそれぞれ食卓の椅子に腰掛け鍋をつつきながら食事会へと話しは持ち越した。


 殿は目の前の鍋を見ながら目を丸くしていたので…私は殿の皿を取ろうと手を伸ばした時殿の隣に座った諷馬がすかさず皿をとり鍋の具を寄せ始めた。



 「姉ちゃんから装ってもらおうなんて…俺だって滅多にないんだから俺がやる…!
 はい、どうぞ…!!」



 子供みたいな事をいって…私が取ろうとした皿をぶんどった諷馬は装った皿を殿に差し出した。



 さしだされたお皿を受け取りつつ子供みたいに皿の中身をみた。



 「この赤い汁はなんという?」



 目を爛々と輝かせた殿は声を弾ませて料理名を尋ねた。



 「何って…。
 キムチ鍋だけど…(汗)」



 「なんと…!
 キムチ鍋というのか?

 鮮やかな朱色で誠に気にいった!」



 諷馬の意地悪も簡単にスルーされて…興味の対象はキムチ鍋に注がれている光景が微笑ましくて食卓を囲みながらクスクスと笑った。