機が動転しているせいなのか…それとも忍びの記憶からか諷馬もパパに尋ねた…。
フッ…と淋しげな表情を浮かべたパパは…ハンドルを握りながら話始めた。
「生駒家の…本家元に伝わっている古文書として…内密に扱われていて…豊臣政権…徳川幕府にも内密に守られていた秘密の古文書なんだ…。
生駒家の当主となった親から子へと受け継がれてきた…。
うちは…元々、本家筋ではなかったんだけど…真帆が生まれて1歳くらいかな…その頃パパはちょうど愛知県の清洲市にママと暮らしてて真帆もそこで生まれたんだけどね…。
生駒の本家の血筋だった従兄弟のお兄さんが結婚するとかで愛知に帰ってきてたから…名古屋城へ観光がてらに行こうって話になって真帆も連れて行ったんだけど…突然織田信長の像にしがみついてなかなか離れてくれなくてね…。
その事を父に話したら…本家の当主からその古文書を預かったんだ…。
あの時も…思ったよ…。
この子は…吉乃の生まれ変わりなんかじゃなく…自分達の娘だって…だから愛知から離れて暮らそうと思って勤めていた会社をやめて…編集社を設立したんだ…。
でもやっぱり運命からは逃れない事ってあるんだなあ…って君達を見てると実感したよ…。」

