『武士ドルが斬る!?』〈前編〉



 殿は真剣な眼差しで私を見つめ尋ねられた白昼堂々の告白に…ときめかない女子なんていないよ…。


 不思議と不安な気持ちを温められた私は…ゆっくり殿の近くにいき頭を優しくなでた直後…。



 「姉ちゃん!」




 人混みを掻き分けてようやく辿り着いた私達の前に踊りでた諷馬は真っ先に殿に詰め寄り怒鳴りつけた。




 「何やってるんだよ…!
 お前…自覚あるのかよっ!!」




 凄い見幕で殿に切り出した諷馬に殿は平然とした態度で答えた。



 「わかっておる…!
 そんなに気を揉むな…!」




 あっけらかんとした殿の態度にますます逆上する諷馬を制したのは………。



 「やめなさい…。
 諷馬…。
 人前だよ…。」



 …なんと…。
 私のパパだった…。



 「とにかく…ここじゃあなんだし…パパの車の中で二人の事ちゃんと話してもらうよ…。
 いいね…。二人とも…。」



 公開録音が終了して…帰り支度を始めたファン達にいち早く気づいたパパの提案に…その場に居合わせた徳家くんと濃君と未茶とそして確保された愛も交え頷きひとまず駐車場へと向かった。