殿の言葉に私はハッとしたように目の前の男性を見つめると…男性は魅惑的な微笑みを表情に浮かべた。
「まさか…!?
濃姫…!?」
驚いた私の様子にクスッ…と微笑んだ濃姫は掴んだ両手をそのまま胸の高さまで持ってくるとゆっくり掌を合わせたその上から自らの手を包むように重ねた。
「“濃”で構いませぬよ…!
生駒のねえ様…。
お会いしたかった…。
お元気そうで何よりです…。」
魅惑的な微笑を浮かべ私を熱く見た瞳に私は以前京都で明かされた秘密を思い出して頬を赤らめた。
「“濃”も‥元気 そうで何よりだわ…。」
なんだか慣れない呼び名に戸惑いつつ返した言葉に茶目っ気たっぷりに片目をウィンクしてみせた。
「今後…この姿の時もありますのでよろしくお願いいたします。」
「う‥うん‥。
よろしくね‥。」
改めて男装して現れた濃姫こと‥もとい濃に複雑な気持ちで頷いた。
それを見ていた殿は‥濃を睨みつけるように頭のてっぺんから足のつま先まで釘いるように眺めた。

