終始穏やかな笑みを浮かべ未茶にお品書きを渡した千利さんの煎じてくれたお茶をひと口…口に含んだ私達は思わずーーーー。
「美味しい‥。」
‥と自然に口につくとともにお茶の味に圧倒されてホッとひと息こぼれた。
「お口にあい大変光栄です…。
どうぞ…。
心ゆくまでごゆるりとおくつろぎ下さい。
では…またお決まりの頃参ります。」
オーナーの千利さんは…私達のほころぶ顔に満足し心暖かいおもてなしの言葉を添えて深々と一礼すると、また来た時と同じように小さい入り口から出ていった。
「にじり口だな…。
実に…見事じゃ…!!」
千利さんの出ていった出入り口を見ながら呟いた…殿は終始ご満悦な様子で、先程の警戒心などまるでなかったかのように落ち着きくつろいでいた。
「でも…。
こんなにお茶が美味しいって感じるなんて生まれて初めてかも…。」
殿の様子に安心しながら…再びお茶を口にした私は感想を述べた。
「…確かに…。
でも千利さんと未茶結構親しかったけど…ここによく来るの?」

