涙を拭い濃姫に心配かけないように私は今までの複雑な思いを断ち切った。
幾分かその様子を感じとったのか…濃姫もまた一息ため息をこぼした様子に重々しい空気も薄れていくのを心なしか感じた。
「…そういえば…。
諷馬からさっき電話があって…濃姫達もカメラマンの羽柴さんのところにいくような事きいたんだけど…。」
話題を変えつつ尋ねた言葉に濃姫は“ええ…。”と頷いて言葉を続けた。
『そうなんです‥。
諷馬殿からお話を聞きまして‥徳家殿もご存知みたいでしたのでそこで合流出来ればと考えておりますがいかがでしょう?』
諷馬…。
一体どんな風に濃姫に話したんだろう…。
諷馬が濃姫に話した内容に一抹の不安を感じながら…私は濃姫の言葉に返した。
「徳家くんも…カメラマンの羽柴さん知ってるなら問題ないし大丈夫だと思う…。
諷馬は…他に濃姫に何か言ってた?」
さり気なく聞き出そうと会話の終わりに尋ねた私に濃姫は一呼吸間を置いて…。
『殿とねえ様がむつみを交わした事を話してくれましたわ…というよりかは聞き出したのは私ではありますけどね…。
そんな事もあり殿がそのカメラマンのところで仕事をなさるとかを聞きましたわ。』

