「…濃姫…。」
濃姫の素直な想いが受話器の向こう側から伝わってきた。
確かに…生駒の方とも呼ばれていた吉乃の死後…信長様は3日3晩泣き崩れたと…図書館から借りてきた本にも書いてあったし…私の死をキッカケに死というモノを考えるようになったとも…殿本人からも聞いていたので余計に濃姫の言葉が真実味を帯び私の胸を締め付けた。
「ごめんなさい…。
なんか私…何にもしらくて…。」
いろんな想いが隻を切ったように涙となっていつの間にか溢れ出していた。
遠い昔に不安な想いを残して死んだ時の想いと…。
この現代にて…彼女達の身を案じながら連絡出来ずにもどかしい思いをしたこの数日間が長い年月を経て―――リンクした…。
愛と未茶はそんな私を気遣い両側に立つと私の背中をさすった。
『出過ぎた事を申して混乱させてしまい申し訳ございませぬ…。』
受話器の向こう側で私のすすり泣きが聞こえたのか濃姫は気遣い謝った。
「いいえ…。
私こそこの場所に来て一番不安なのは…殿や濃姫達なのに…逆に気をつかわせちゃってごめんね…。
今回の殿との事は…私も受け止めたかったのもあるから…。
ごめんね…。
心配かけちゃって…。」

