確かに戸塚教授は…この事件の一任者として任されているところはあるだろうけど…それはあくまでも国家機密事項的な事になる…。
それもこれも歩く国宝重要文化財が戦国時代からやってきたせいもあるのだけど…もしそれが内部から外部にもれれば大混乱になるだろう…。
それを避ける為政府機構が動き謎の逃亡者の一件…病院での銃撃戦だってもみ消したのだ…。
だからこの一件を知る者は…関係者となる者すべて守秘義務を徹底づけられているはずだ…それだけ徹底されてる筈なのに…なぜかこの左側に座るおじさんは…得意気に暦の巻物について解説していた。
ブッブッブッブッ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
テレビにうつる暦の巻物に私達は釘いるように見入ったちょうど‥その時―――。
再び私の携帯のバイブ音が鳴り響いた。
「誰から?」
私宛てにきた電話だというのに‥愛はバイブ音を察知して尋ねた。
苦笑いを浮かべながら携帯のディスプレイに表示される――“徳家くん”――の活字に一瞬で顔から血の気が引いていくのを感じた。
別に付き合っていた訳でもないんだから…。
落ち着かない呼吸を整えながら…私は覚悟を決めて着信ボタンを押して第一声を絞り出した。

