『武士ドルが斬る!?』〈前編〉



 ママに急かされ自宅から追い出された私と諷馬は…愕然としながら玄関前に立ち尽くした。



 「…はあ…。
 行ってくる…。」


 大きな溜め息を漏らした私に心配そうに諷馬が尋ねた。


 「大丈夫…?
 俺…やっぱいこうか?」


 傘を開きつつ私の顔を覗き込んだ諷間に首を横に振った。



 「大丈夫…。
ただ…隣に回覧板持っていくだけだから心配しないで…そんな事より雨足強くなってきたから…早く駅にパパ迎えにいってあげて…出張帰りで疲れてると思うからさ…!」



 「うん…。
 わかった。
 何かあったらすぐに電話して…!」


 心配症な諷間は…私に傘を渡した。


 「うん…。
 ありがとう!!

 気をつけてね!」



 玄関先でお互いの健闘を祈りつつ別れた私は…お隣の門の前にたった。



 『織田』


 昼間みた時はなさそうに見えたが…立派な表札が門の前に飾られていた。


 ザーーーッ‥‥‥。


 音とともに先程まで明るかった空は‥黒い雲に覆われて更に雨足を強めてきた。