『武士ドルが斬る!?』〈前編〉



 明石君の真っ直ぐな瞳で訴えられ、さすがに困惑したまま返す言葉を探し想いのままに返した。



 「…信じるよ‥!!」


 ふいに口をついて出た言葉は、自分が吉乃の夢をみて不安に思った時に欲しかった言葉だった。


 「そっあ…!
 良かった…!!

 ここまで送ってくれてありがとう…。
 また…今度会ったらお話聞いてね!!」



 明石君は私の言葉に…満遍な笑みを浮かべて返した。



 「うん…。
 あっ…あの…!
 一つだけ質問…最後にいいかなあ?

 どうして…?
 自分が明智光秀って事を信じてもらいたいの…?」


 明石君は…うーんと考えて、またにこやかに微笑んだ。



 「それは…………。
 僕が犯した…罪を忘れないためかな…?」


 「そっかあ…。
 ありがとう…。
 ごめんね…。
 変な質問して引き止めちゃって…!」



 明石君から帰ってきた意外な答えと、子供とは思えない冷静な態度に驚きと切なさを覚えた。



 じゃあね…と手を振りかけていくそのあどけない後ろ姿を見送った後…家路へと続く道を1人歩きながら考えた。