「これ…!!
どうぞっ…!!」
卵を差し出してニコリと笑う小さな紳士は…先程の明石少年だ。
「明石君…!!
まだ…学校に行ってなかったの?」
チッチッ…。
と…どこで覚えたんだか指を横にふりつつ明石君は答えた。
「僕がいなかったら…この卵手に入らなかったんだから大手柄だと思いませんか?」
「まあ…確かにそうだけど…。
義務教育中は…学校に通わなきゃなんないの!」
ふっと上げた手に気付いて…ビクリと身体を震わせた明石少年の態度に違和感を覚え優しく明石少年の頭を撫でて卵を受け取った。
「…ごめんね…。
ありがとう。
卵…ほんと助かったわ…。
でも…学校にはちゃんと行こうね…。」
「うん…。
お姉ちゃんの名前聞いてなかったからさ…。」
少年は…頭を撫でられて同じ目線で話かけた私に安心して笑顔を浮かべた。
「…私の名前は、生駒 真帆っていうのよ‥。
明石君のフルネームは?」
「明石 智光〈アカシ トモミツ〉っていうんだ!」
元気よく私に自分の名前を明かしあどけない笑みを浮かべた。
「そっかあ…。
じゃあ…卵のお礼に学校まで送っていってあげるよ!」

