ザッ…………………。


 風と共に私の前に立つ気配と土を踏む音に私は…目をゆっくり開いた。



 「濃っ…。
 大丈夫か!!」


 「殿…!
 今までどちらにっ…!?」



 濃姫は私達に襲いかかってきた者達の上に乗り上げ襟元を掴み首の急所に拳を入れた。



 「とにかく…。
 後ろに下がっておれ。」



 私に言ったのか…濃姫にいったのかはわからなかったけど…すぐ近くのベンチの下に身を隠した。



 「…そこまでだ!?」



 半田刑事が…看護士に成りすましたものの背後に潜み引き金を引いた。


 さすがの…彼女もこれには完全に抵抗できないと思われた矢先…。



 ドバババババババ…。



 けたたましい音と共に太陽の光を遮る影に覆われた。



 「今度は…何っ!?」


 頭上を覆うその物体を見たその女性は…やがて素早く文箱に巻物を入れて空に放り投げた。


 「ヘリだ!?
 構えろ!!」


 半田刑事の声にSWATのような集団が突然現れた。


 やがてそのヘリから無造作に垂らされたハシゴに捕まった者は…空中で文箱を鎖で巻きつけそのままキャッチすると同時に上空から…銃弾の雨が降ってきた。