もし…殿と再会したら…なんて考えた事なかったけど…もし再会したらどうなるんだろう…?
胸の奥が激しく高ぶり私は…赤い顔を隠すようにお酒を口に運ぶ。
もし殿と本当に出会ってしまったら…私は一体どうするのだろう…。
殿は私を覚えてくれているのかもわからないし…ましてや吉乃であった証すらない私に気づく事なんてあるのだろうか…。
考えれば考える程…不安に落ちそうな私は…激しく頭を振る。
そんな時…近くで携帯のバイブ音がバックの中で鳴り響いた。
「真帆!
携帯なってるよ!」
その音に気づいた愛が…私の肩に手をあてて知らせてくれたので慌ててバックから携帯を取り出して確認する。
『生駒 諷馬〈イコマ フウマ〉』
携帯のディスプレイに写る名前が表示される…。
「弟からだ…!
ごめん…!出てくる!」
携帯を片手に慌てて部屋の外へと駆け寄り着信を受信する。
「もしもし…。」
私の第一声に気付き遅れて弟の声が聞こえてきた。

