恐るべき観察眼にたじろぎ私はとぼけた様子でグラスを受け取る。
「そう…?
疲れてるのかな…。」
愛は私とは違って大学のマドンナ的存在だ…。
ちなみに余談だが…先程登場した…淀川未茶は愛の従兄弟で彼女も人気が高い女子の一人である。
「…まさか…。
夢のお相手の事考えてたりして…!」
茅江がするどいツッコミをいれてきたのに、たじろぎつつ笑顔を浮かべた。
「まさかー!!
そんな訳ないじゃん!」
「まさか…マジなの?」
私の様子に未茶が…身を乗り出す。
「ちなみに…殿ってどんなタイプなの?
草食系?
肉食系?」
茅江の好奇心は…いつも留まる事を知らない天真爛漫な性格だ。
「そんなに詮索したら可哀想よ…とはいいつつ…もしも殿と再会したらどうする?」
「えっ…!
いやあ…夢の中の人物だしね…!
大体そんな古風な人いるかしら?」
愛のかまかけにまんまと乗っかり答える。
「古風ってどっち?」
「さあ…?」
茅江と未茶が私の答えに首を傾けて考え込むやり取りを見ながら愛の質問を再度考えた。

