鼻息をフンッと荒々しく鳴らして力説した福沢部長の剣幕に私は押され苦笑いをした。
なんだか…余計面倒な事に発展したな…。
私は冷や汗を拭いて…グラスを片付けにきた店員さんに注文した。
「でもさ…!織田信長って…家臣に殺されたんだよね!
明智光秀だっけ?
尾張の大うつけ…。
第六天魔王…。
赤鬼…。
いろんな悪名もってるみたいだよね…!
どれも呼ばれたくないあだ名だよね。
デーモン小暮閣下とかヘビメタなバンドマンみたいな感じだったのかな?」
彼女の話にみんなはドッと笑う…。
その隙に茅江は呆れた未茶から…奪われたビールのジョッキを取り返して口に含んだ。
「へえ‥。
茅江も歴史詳しいんだね!」
美味しそうにビールを飲む茅江を見て喉を鳴らし…私もビールにしとけば良かったと思いながら話に耳を傾けた。
「第六天魔王の渾名は…比叡山焼き討ちとかからついたんじゃないかなあ…。」
先程私に発言した…芥川君が続けて答えた。
「でもさ…。信長公に限らずその時代の人達って結局…戦したりしてるから敵なる人達からしてみればみんな残忍だよね…。」
未茶の言葉に私はそれもそうだと頷いた。

