友人…市川 愛〈イチカワアイ〉の名前がディスプレイに表示され私は着信ボタンを押した。
『あっ‥!?
真帆‥?
私‥私…!
もしかして…まだ学校なの?」
「そう…。
今まで権田教授の居残り作業させられてたよ…。
なんだか騒がしいけど…。」
電話の向こうからドンチャン騒ぎが受話器を離しても耳に届いてくる程の雑音に次第に声をあげ尋ねた。
「やだ…!
今日…サークルの飲み会って言ってたじゃん!!
今からでいいから来ればいいじゃん…。」
私は…はっとしてスケジュールをみる。
スケジュール帳には…確かに飲み会と記入して…目立つように花丸まで赤ペンで書き込んでいた。
「ごめーん…!
わかった…。
じゃあ今から行く…。」
“じゃあ…待ってるねー!”と愛の元気な声を聞いて電話を切り先程もらった用紙をクリアファイルにいれると大学を後にした。

