「それは…まさか本物の可能性があるってお考えですか?」
私達が2人同時に発した言葉に苦笑いをして権田教授は答えた。
「あくまでも…現時点では…可能性があるという事だ!
彼が服を借りる際に用いる“金判”だが…当然室町から使われていたものと酷似しているのにも拘わらず非常に保存状態がよいという事だし‥金だって風化する事だってあるが‥室町時代のままがまさに新品同然のままで見つかるなんてまったく有り得ない話だ。
それに‥本能寺で保護されている連中の話から地下のお堂に入ってみたらしいんだが‥そこでまるで焼かれたようにくっきり六亡星の陣が描かれていたらしい。」
権田教授の言葉に私達は驚き身を乗り出した。
「それって…一体どうゆう事ですかっ!?」
「まあまあ…落ち着きたまえ…。」
興奮気味の私達を諫め話を続けた。
「確かに驚くのも無理はない…。
でも時は…室町の南蛮渡来と共に…キリスト教も布教した事は確かだ。
この意味わかるかね。」
私は首を横にふりペタンと座りこんだが…歴史マニア魂に火をつけられた徳家君は権田教授の謎かけに的を射たように答えた。

