「なんで謝るの?」
俺は不思議そうに彼女に聞いた。
「いや…あ、あのさっきの独り言迷惑だったかな〜って…。」
慌てて彼女は答えた。
俺は、そんな慌てている彼女を見て自然と笑みがこぼれた。
華奢な体に、腰まで伸びたストレートな髪。
ぱっちりとした二重の目、ふっくらとした唇。そしてすじの通った鼻。
全て顔のパーツは整っている。
まじまじと彼女の顔を直視している俺を不思議に思ったのか、彼女はふいに首を傾げた。
「私の顔に何かついてます?」
ぼーっとしていた俺は、彼女の声で我に返った。
「あ、いや何でもない。それより、あんた入学式行かないの?」
俺は話を流し、別の話題に変えた。
「行きます…!」
彼女は少し迷いがちに答えた。
「ふーん。」
「あなたは、行かないの?」
「涼太…。」
「え?」
