「わかったよ!行きます〜っ!」
不貞腐れた優斗が言っていると
『入学式始まるから整列しろ〜。』
と、教室にいた教師が言った。
「って事で、優斗1人で頑張ってね〜。」
俺がそういうと優斗は「涼くんのばか〜」と言いのこして体育館へと行ってしまった。
「ったく。涼くんって呼ぶなっつーの。」
俺は窓際の席に座って外を眺めていた。
しばらく眺めていると、廊下を走る足音が聞えてきた。
誰だ?今頃みんなは入学式のはず…
すると勢い良くドアが開いた。
「もう入学式始まってるよぉ〜」
と今にも泣きそうな声の主は女だった。
息切れしている彼女は屈んで膝に手を付いて息を整えているようだった。
そして、息が整ったのか、彼女は元の体制に戻った途端、俺の存在に気付き、口に手を当てていた。
「あ…あの、ごめんなさい!」
