それはよく晴れた日の事。
私は水滴のついた電車の窓に絵を書いて遊んでいた。
そんな、昨日よんだ本のフレーズをふと思い出し、私は電車の窓を見やった。
あいにく今日は晴れでもないし、窓に水滴がつくほど外は寒くない。
ヘッドホンから聞こえてくる音楽に割り込んできた終点のアナウンスに、窓から視線をはずす。
開いた扉11月上旬の冷たい風をもろに感じ、私は不快感に眉を寄せた。
はあ、と吐いた息は白くなんてならず、ちょっと期待した自分がバカらしい。
私は昨日おとしたばかりのアップテンポの曲から、訳のわからない英語の羅列されたバラードへと曲をかえ、特に目的地もなく改札まで歩き出した。