2年6組。

いつもの朝。いつもの道。いつもの学校。
唯一違うのは、あたしの気持ち。


「もえちゃん、 おはようっ」
2人しかいない教室に級友の小野まゆの
声が響いた。

「おはよう。」
あたしは適当に返した。

「ねぇっ!どきどきするねっ」
そう言いながらまゆはあたしの顔を
覗き込んできた。
いつ見てもこの子は可愛い。
たれ目で、小柄で、少しぷくぷくしていて、あたしとは同じ陸上部とは思えない色白だ。

それに比べてあたしときたら、
つり目で、身長も中途半端で、色黒だ。