ナミダ星

「沙世は俺のこと好き?」


尋くんの質問に戸惑う私。

なにも言葉が思い付かない。


尋くんに伝える言葉が出てこない…。



そんな私を見兼ねた尋くんは、また私に聞いた。


「俺のこと好き?」


その言葉にウンと頷く私。



…そっと私の手をとり、尋くんは握りだした。


私の手に神経が集中する。
そして、二人は黙ったまま夜空を見上げる。



すると……


一つの流れ星が、私の上を通過した。


「あっ!ナミダ星……だね」

私が笑いながら尋くんに言うと。


「本当だ。ナミダ星だ」


そして、二人はまた夜空を見上げ…


強く、強く、手を握った。


もう…二度と離すことのないように。



この空に流れるナミダ星に誓おう。