「ほら、行くぞ」
さっきまであたしの部屋にいたとは思えないくらい、いつもと何ら変わりない真紘。
む…ムカつく。
だいたい、男が女を起こしに来るって、あたしの理想じゃないし!!
……って、よく考えてみろ…?
真紘“が”、あたし“を”起こしに来た…
ということは……!
「ちょっ、ちょっ…真紘、」
あたしは歩き出す真紘の鞄をグイっと引っ張る。
「……何?」
何か心底めんどくさそうな顔してたけど、
その顔したいのはあたしだから。
ってそうでなく!
「あのさ、
………寝顔、見た?」
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