二人は何だか緊張している様子で、
「そんな堅くならないで」
って、あたしは言ってみたけど、
「む…無理ですよっ」
小声で、綾斗くんにそう返された。
あたしには『はぁ!?』って言ったくせに。
何で?と思ったけど、
むぅ…と唇を尖らせて、千尋をチラッと見た瞬間、
なんか、納得した。
だって、今までに見たことないくらい、
目力が半端なかったというか…
綾斗くんたちに注がれてる千尋の視線が、まるで突き刺すように鋭い気がして…
「ちょっ…、怖いよ?千尋っ」
その空気が重苦しくなるのを感じて、
あたしはなるべく明るく言ってみた。
………つもりだったのに。



