「あ…綾斗くん!?」
声の主は綾斗くんで、
あたしの肩をガッと掴み、
「怪我はないですか!?」
と、とても焦った様子で聞いてきた。
「う…うん。大丈夫。」
「はぁ、良かったぁ…。」
そ、それより…!
「綾斗くん、手、大丈夫!?」
「えッ…あぁ、はい。大丈夫です。」
「でも…」
さっきあんなに痛そうな音がしたのに…。
目を瞑っていたから実際には見えてないけど、
綾斗くんがあたしの顔の前に手を出していたのと、
コロコロとあたしのすぐ近くに転がっているサッカーボールを見て、
綾斗くんの手が、サッカーボールを弾いてくれたんだと理解したのだ。



