「バッターボックス入って
何するつもりだろ?」
「さぁ?」
わざわざ代われって言う意味がわかんないし。
ホント、真紘って理解不能。
そんな真紘をボーッと見ていると、
「――――危ないッ!!」
急に背後からそんな声が聞こえて、
振り返ると、
サッカーボールが、あたし目掛けて飛んできていた。
反応が遅れたあたしは、逃げることすら出来なくて、ギュッと目を瞑った。
これ、たぶん顔直撃だな……。
そんなことを考えていたけど、
目を瞑ってから、いつまで経ってもあたしに衝撃はやってこなくて、
代わりに、
―――――バチンッ
という音と、
「大丈夫!?」
聞き覚えのある声が、耳に届いた。



