「真紘が謝るなんて気持ち悪っ! 雪でも降るんじゃない?」 「何だよ、せっかく気ぃ遣ってんのに! つーか、雪降ってもいい季節だよ、バーカ」 「ははっ。 それでこそ、真紘って感じ」 「あぁ……ありがとな。」 「いいって。もう行きな? 早く別れないと、萌もらっちゃうからね」 「ぜってーやらねぇし、アホ。」 そうは言っても、きっと冗談だったと思う。 千尋は、奪うとか、そんなこと考えるやつじゃない。