――――ピンポーン… 本日2回目の、インターホンを鳴らす。 今度は、 「はーい」 スピーカーを通さずに、千尋が直接返事した。 「あ、萌。」 「あっ…と、メリークリスマス!」 あたしは玄関先で、千尋にカップケーキの入った袋を渡した。 「用事ってこれだったんだ?」 「………?」 「昼間にも来たんだってね。 真紘が言ってたよ」 「真紘…が?」 あたしが来たの、わざわざ千尋に伝えてくれたんだ…。