「あの、先輩…、来栖先輩ですよね?」



「うん?そうだけど…」




あらら?



なんで知ってるんだろう?




「クラスでも有名なんですよ。
かわいい先輩だって。」



「いや、ありえないよ。」




千尋や真紘といて“釣り合わない”と言われてきたあたしが、



かわいいわけないし。




「謙遜ですか?
先輩、かわいいですよ。」



「あはは、お世辞でも嬉しいよ。」




あたしはそう言いながら自販機にお金を入れ、カフェオレのボタンを押す。




「お世辞じゃなくて…」