中途半端…… 今まで、そんな風に思ったこと、ないんだけどな… 「『萌は渡さねぇ』って…言ったくせに……」 「え?何て?」 声が小さくて聞き取れなかった。 もう1回聞いてみても、 綾斗くんは、 『何でもないです』としか言わなかった。 そして、 「―――1年D組の彼女の告白相手はぁ~… 1年D組!柊綾斗さん!」 体育館の中からそんな声が聞こえてくると、 『やべ、呼ばれてる!』って言いながら、 綾斗くんは体育館の中に入っていってしまった。